厚川 文子 展  <陶>
2009年4月21日(火)〜5月3日(日)  


    『土へのこだわり』



    でも、厚川さんの場合のそれは素材としてのこだわりというよりも、「感覚として

    土がまとっているもの」 にこだわっているような気がします。


    子供の頃の泥んこ遊びや庭いじりや畑仕事で感じる、あの魂がストンと収まる

    ような感覚。
 
    あたたかさとか素朴さとかと言うと少し陳腐に聞こえてしまうけれど、触れた

    とたん心がすっと吸い込まれていくような、強い親和力が土にはあります。


    きちんと陶器としての機能性も備えながら、土に触れた時のあの感覚を器の

    中に残したい。

    そんな厚川さんの思いを、私は作品からいつも感じるのです。



    今回は以前から持っていたプリミティブな雰囲気も、単なる意匠ではない内側


から滲み出てくるようなより自然な感じになってきているように思います。



背筋を正してしまう焼締めの器ではなく、ラフな野焼きの土器でもない、今の現代の生活の中に普通にすーっと入り込みきちんと使って

いける 『土』 の器。


道具としてのきちんとした機能性を折り込みながらも、それでいてどこにも属さない無国籍な佇まいがなんかおもしろくて、楽しくなって

しまうのです。







厚川文子 atsukawa fumiko:
1975 埼玉県生まれ 1997 和光大学人文学部芸術学科卒 2004 多治見市陶磁器意匠研究所修了

<2007年の個展>




<展示風景>













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