中沢 美帆 「あおいいけのおはなし」 原画展 
2010年1月19日(火)〜1月31日(日)  

  
  『熊が見つめているもの』


  中沢さんの持っているこの空気感は何なのだろう。

  手作りのファイルに貼り付けられたその花々や動物

  たちに、「絵本の挿絵を描いている」という言葉からの

  先入観を無言で静かに打ち消されてしまった。


  そこには作られた 「純粋無垢」 も甘ったるい 「かわい

  らしさ」 もなく、郷愁とは違うしかしどこか見覚えのある

  世界がしんとゆっくりと拡がっていたからだ。



  振り返れば、自分の小さかった頃も決して 「子供らしく」 底抜けに明るい毎日だった訳はなく、どこか冷静に今ここにいる自

  分の世界をじっと見つめていたような気がする。

  ネコのぬくもりに、夜のトイレに、そして虫かごで死んでいたトンボに


  この熊の目はあの頃の私の目にそっくりだ。 あおいいけに映し出された未来の自分を、ちょっと諦めにも似た思いで静かに

  見つめているしかなかったのだ。




  中沢さんは水彩で描いた絵を一度切り取り、背景と組み合わせて再構成するという方法で、独特の静かな世界を作り上げて

  います。

  昨年、月刊MOEに掲載され反響を呼んだ 「あおいいけのおはなし」(文・どいかや、絵・中沢美帆)の原画の展示を中心に、

  そのほか小さな作品や掲載誌等の展示販売を予定しています。








なかざわみほ :埼玉県出身。インテリアデザインの専門学校を卒業後、絵本制作のワークショップに参加。2005年より個展・グループ展にて作品を発表。

          挿絵 : 「お日さまとトナカイ」新読書社、「つきはともだち」文・やえがしなおこ/フレーベル館(09’9月号キンダーブック3 ) など
          装画 : 「はつ恋」ツルゲーネフ/新潮文庫     <東京都練馬区在住>




<展示風景>















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