矢尾板克則 展
2008年8月26日(火)〜9月7日(日)  


   『不安定でやわらかい』



  矢尾板さんご本人に 「矢尾板さんの作品の魅力は不安定感かも

   知れない」 と言ったことがあります。

   それは本来の意味からすれば、適切な言葉ではなかったかもしれ

   ませんが、右往左往日々迷いながらやってきたろば屋にとって、

   矢尾板さんの 「不安定感」 はとても自身に正直な真摯な態度の
  
   ように思え、勝手にシンパシーを感じていたのです。


最近の矢尾板さんは、一時器作りからちょっと距離を置いたことで、逆にこのところの器の作品も含め、いろんな可能性がまた新たに

生まれつつあるような気がします。


写真の作品は、灰釉の壷だそうです。

扱いづらい土で立ち上げた壷は、わがままさをそのまま受け入れるかのように歪んだり切れたりのまま。

工房の周りの立ち木の枝を燃やしてできた灰で釉薬を作り、それをシンプルに掛ける。

今までの作品のような線刻や原色に近い色がそこにある訳ではないのに、出来上がったものにはしっかりと矢尾板さんの世界が凝縮

されています。



そこには、自然体のまま静かに土との対話を楽しんでいる矢尾板さんがいるようで、作り手ではない私にはとてもうらやましく思えて

しまうのです。










矢尾板克則(やおいたかつのり):1969 新潟県生まれ 1991 武蔵野美術短期大学陶磁科卒 〜93 山本幸一氏に師事 1993 武蔵野美術大学陶磁研究室勤務 1995 新潟県
長岡市に工房設立、制作活動開始

      2006年の個展    2004年の個展    2003年の個展    




<展示風景>













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